四方山話

TV番組にするには引っ越さないといけないのです、家人がいてはダメなのです。

なぜなら、工事中に
「誰がこの工事を頼んだ。言ったことと違う。聞いていない。」
と言われたら番組にならなくなり、困るからだと思います。




施主が引っ越しすることは番組のためで、いいリフォームをするためではないと思います。

家人が引っ越して、工事中を見ていない以上、
その工事が本当にいいかは、何カ月か住んで（使って）から分かることです。



  

以前、リフォーム工事をいただいた方から
「引っ越さないといけませんか？」と聞かれたことがあります。

TV番組を見て、引っ越さないとリフォーム工事ができないと思ったのでしょう。

「部屋ごとに順番に工事しますから、引っ越さなくてもいいですよ。」と答えると安心していました。





実際のリフォーム工事は、ほとんど引っ越さないのです。TV番組だから引っ越すのです。

  

以前、週刊誌にあの番組の工事が裁判になっている記事がありました。
内容は、施主の希望が通っていないことでした。

お互いに理由はいろいろあるでしょうが、施主不在で工事しなければ裁判にならなかったと思います。なぜなら、毎日工事の状況を見ることができるからです。工事中に要望と違うことがあれば、意見することができる、そこで確認すれば変更できるからです。


  

何年か前に中学生が職業体験に来ました。

その子になんで工務店の職業体験を希望したのか聞いたところ、その理由はTVのリフォーム番組でした。その子には、かわいそうとは思いましたが「あれは、TVの番組です。住んでいる人がいないリフォーム工事など、まず、ありません。」というと怪訝な顔をしていました。

ハッキリ言って私は子供の教育によくないと思っています。本当のリフォーム番組を作るのなら、引っ越さないで住んでいるままするべきです。でなければ本当の評価は出ないと思います。


  

あの番組を見るとうらやましい工事と思います。

私は、ほとんどお客さんが引っ越してくれたリフォームはありません。ですから、水や電気を止める時、外装を変えるなどの工事は、お客さんの都合を聞かなければなりません。特に、水と電気は「何時から何時まで止めます。」と言ってから止めないといけません。

TV番組のように家財を持って引っ越してしまえば、空家ですから工事のことだけを考えればいいのですから、うらやましい限りです。



  

テレビでリフォーム番組があります。

番組ですから、面白くないといけません。匠と呼ばれる建築士、思い出をどこかに残すなど決まりごとがあり、その上、荷物を持って引っ越してしまい、ほとんど工事中は見せないで完成したら家族を連れてくるというストーリーです。

あれだけ全面改築して、工事中を見なければ誰でもすばらしいと思うはずです。