2012年09月27日
「夢売るふたり」を観て~最後はカモメの鳴き声
「夢売るふたり」を観に行きました。
前作「ディアドクター」の西川監督なので期待して観に行きました。
映画は、火事で店を失った夫婦、阿倍サダヲと松たか子が店をやり直すために詐欺を働く、しかも、女房が女衒をする。男が女をだまして金をため、その金で店を出す話です。
二枚目でない阿倍が女を騙す、しかも、ウソをつかずに店が燃えたという本当のことを話し、同情を誘って金を巻き上げる。そのキッカケが、不倫の手切れ金で酔っぱらった女と不倫をしてその手切れ金を阿倍がもらう、その金の出所を松が知るという始まりです。
たくさんの女性が騙され、話が進むにつれ松と暮らす阿倍の時間は騙される女とのすごす時間の方が長くなります。松と阿倍の溝が深くなっていきます。そして、騙されたことに諦められない田中が探偵(鶴瓶)を雇い、阿倍追いつめます。そのあと、少し無理のあるラストです。
この映画のおもしろいことは、タイトルが「夢売るふたり」で「夢見るふたり」ではないことです。タイトルの通り、騙された女性たちは、みんな新しい夢に向かって行きます。ふたりの詐欺が、なんとなく閉塞感に包まれ、新しい道に踏み出せなかった自分の人生にキッカケを与え、新しい道に進むのです。
残念なことは二つ、阿倍と松の夫婦が燃えてしまった店を出すために苦労したシーンが全くないため、ここまでして金をためるのかという理由の裏付けが薄いこと、もう一つは、ラストの子供が包丁で刺すことは、子供が小さすぎて物理的に無理ではないかということ、リアル感が掛けていると思いました。
個人的には、どんどん暗くなり、笑顔が亡くなる松と詐欺師を笑いながらする阿倍との対比、阿倍と最後の別れになる、映画の中では会えなくなるシーンでの松の表情、松たか子の演技がきわだった映画と思います。
たくさんの俳優が入れ替わり出ますが、うまくまとめてあると思います。
ラスト、エンドロールの最後に真っ暗な画面にカモメのさみしい鳴き声が流れます。エンドロールが始まると帰ってしまう方が多いですが、せっかくお金を払うので、最後までいてカモメの声をいいた方がいいと思います。

前作「ディアドクター」の西川監督なので期待して観に行きました。
映画は、火事で店を失った夫婦、阿倍サダヲと松たか子が店をやり直すために詐欺を働く、しかも、女房が女衒をする。男が女をだまして金をため、その金で店を出す話です。
二枚目でない阿倍が女を騙す、しかも、ウソをつかずに店が燃えたという本当のことを話し、同情を誘って金を巻き上げる。そのキッカケが、不倫の手切れ金で酔っぱらった女と不倫をしてその手切れ金を阿倍がもらう、その金の出所を松が知るという始まりです。
たくさんの女性が騙され、話が進むにつれ松と暮らす阿倍の時間は騙される女とのすごす時間の方が長くなります。松と阿倍の溝が深くなっていきます。そして、騙されたことに諦められない田中が探偵(鶴瓶)を雇い、阿倍追いつめます。そのあと、少し無理のあるラストです。
この映画のおもしろいことは、タイトルが「夢売るふたり」で「夢見るふたり」ではないことです。タイトルの通り、騙された女性たちは、みんな新しい夢に向かって行きます。ふたりの詐欺が、なんとなく閉塞感に包まれ、新しい道に踏み出せなかった自分の人生にキッカケを与え、新しい道に進むのです。
残念なことは二つ、阿倍と松の夫婦が燃えてしまった店を出すために苦労したシーンが全くないため、ここまでして金をためるのかという理由の裏付けが薄いこと、もう一つは、ラストの子供が包丁で刺すことは、子供が小さすぎて物理的に無理ではないかということ、リアル感が掛けていると思いました。
個人的には、どんどん暗くなり、笑顔が亡くなる松と詐欺師を笑いながらする阿倍との対比、阿倍と最後の別れになる、映画の中では会えなくなるシーンでの松の表情、松たか子の演技がきわだった映画と思います。
たくさんの俳優が入れ替わり出ますが、うまくまとめてあると思います。
ラスト、エンドロールの最後に真っ暗な画面にカモメのさみしい鳴き声が流れます。エンドロールが始まると帰ってしまう方が多いですが、せっかくお金を払うので、最後までいてカモメの声をいいた方がいいと思います。
2012年09月26日
吹き抜け2~床、水平部材の役目
木造住宅の耐力壁を計算する場合の前提条件として「床は水平で、剛性があること」という条件があります。
地震のときに抵抗するのは耐力壁ですが、その耐力壁同士をつないでいるのは水平部材の床や小屋組なのです(下図参照)。
吹き抜け部分の床の力は0(ゼロ)です。
従って吹き抜けがあると吹き抜け周りの耐力壁のつながりは弱くなり、地震のときに吹き抜けがない場合より不利になります。
配置した耐力壁が力を発揮できるように考える必要があります。
地震のときに抵抗するのは耐力壁ですが、その耐力壁同士をつないでいるのは水平部材の床や小屋組なのです(下図参照)。
吹き抜け部分の床の力は0(ゼロ)です。
従って吹き抜けがあると吹き抜け周りの耐力壁のつながりは弱くなり、地震のときに吹き抜けがない場合より不利になります。
配置した耐力壁が力を発揮できるように考える必要があります。
2012年09月24日
吹き抜け1~大きな吹き抜けは大丈夫?
最近、雑誌などを見ると木造住宅でも非常に吹き抜けが多いと思います。しかも大きな居間などに大きな吹き抜けを設け開放感を演出しています。目の前の建築雑誌にも、大きな吹き抜けの写真の広告が出ています。
ということで今回から、特に木造住宅の吹き抜けについてのブログを書きます。吹抜けを計画している方は参考にしてください。
吹き抜けを見るたびに、私は「これで、ほんとに地震の時にも大丈夫だろうか?」と思っています。
吹き抜けは床が一部ないことです。
下の絵のように、四角い紙に穴を開ければ、紙は変形し易くなることは誰でもわかると思います。
変形しやすいということは、強度が低下する、つまり、床は弱くなるということです。

ということで今回から、特に木造住宅の吹き抜けについてのブログを書きます。吹抜けを計画している方は参考にしてください。
吹き抜けを見るたびに、私は「これで、ほんとに地震の時にも大丈夫だろうか?」と思っています。
吹き抜けは床が一部ないことです。
下の絵のように、四角い紙に穴を開ければ、紙は変形し易くなることは誰でもわかると思います。
変形しやすいということは、強度が低下する、つまり、床は弱くなるということです。
2012年09月19日
「天地明察」を観て~エンドロールは節句の飾り
「天地明察」を観に行きました。
4代将軍家綱の時代、戦がなくなり社会に規則と秩序を守ることが正義とされた時代に、「大和暦」を作った男 安井算哲の物語です。作品の中に、当時の人々、4代家綱、保科正之、水戸光圀、関孝和、本因坊道策などが出ています。関孝和は、和算の天才と言われた人物、彼がいたおかげで鎖国の日本でも数学が発達したのです。
映画は碁から始まり碁に終わります。特に冒頭の碁のシーン、「やらせ」の碁の対決に不満を持つ、本因坊と算哲の碁は、規則と秩序の世の中を壊そうとします。この後の展開を予感させるシーンです。
北極星の位置を測量に行くシーン、当時の測量がいかに大変か分ります。
保科正之、水戸光圀の力を借り、なんとか「大和暦」を作りますが、朝廷の許可がいる改暦に挑む算哲の苦労、位も低く、バックアップがなければ朝廷に話も出来ない男が、日食を当てて「大和暦」の正確さを証明するため、命を掛けます。
出ている役者が、チョイ役でも豪華で、特に笹野と岸部、きたろうと尾藤イサオ、レスラーの武藤敬司と引越のサカイの徳井優の3コンビは、いい味を出しています。また、染五郎の公家も気色悪く、意外なことは、真田広之がナレーションだけで参加していることです。宮崎あおいは、たくさんの着物を着て出てきます。
また、セットや測量器具などもかなりお金を掛けています。
約2時間20分と少し長いと思いましたが、なかなか面白かったです。ただ、測量所を武士が襲うシーンは、チャンバラがないので入れたのかもしれませんが、規則と秩序の社会には不似合い、カットしたほうがいいと思いました。
映画に松本幸四郎が保科正之役で出ていますが、保科正之は3代家光の異母弟です。秀忠亡き後、家光に会い、その後家光が亡き後も幕府を補佐し、会津藩初代藩主でありながら大老になり、幕府の基礎をつくった名君です。有名な話は、明暦の大火で江戸城の天守閣が焼失した時に、もはや戦の時代ではない、天守閣は必要ないと言って作らないで、江戸の町の復興にお金を使った人です。
今の日本の政治家に真似てほしい人物です。
エンドロールがなかなか洒落ていて、正月や雛祭りなどお節句の飾りが映像化しています。はじめ何か分りませんでしたが、これから観に行く人はよく見てください。

4代将軍家綱の時代、戦がなくなり社会に規則と秩序を守ることが正義とされた時代に、「大和暦」を作った男 安井算哲の物語です。作品の中に、当時の人々、4代家綱、保科正之、水戸光圀、関孝和、本因坊道策などが出ています。関孝和は、和算の天才と言われた人物、彼がいたおかげで鎖国の日本でも数学が発達したのです。
映画は碁から始まり碁に終わります。特に冒頭の碁のシーン、「やらせ」の碁の対決に不満を持つ、本因坊と算哲の碁は、規則と秩序の世の中を壊そうとします。この後の展開を予感させるシーンです。
北極星の位置を測量に行くシーン、当時の測量がいかに大変か分ります。
保科正之、水戸光圀の力を借り、なんとか「大和暦」を作りますが、朝廷の許可がいる改暦に挑む算哲の苦労、位も低く、バックアップがなければ朝廷に話も出来ない男が、日食を当てて「大和暦」の正確さを証明するため、命を掛けます。
出ている役者が、チョイ役でも豪華で、特に笹野と岸部、きたろうと尾藤イサオ、レスラーの武藤敬司と引越のサカイの徳井優の3コンビは、いい味を出しています。また、染五郎の公家も気色悪く、意外なことは、真田広之がナレーションだけで参加していることです。宮崎あおいは、たくさんの着物を着て出てきます。
また、セットや測量器具などもかなりお金を掛けています。
約2時間20分と少し長いと思いましたが、なかなか面白かったです。ただ、測量所を武士が襲うシーンは、チャンバラがないので入れたのかもしれませんが、規則と秩序の社会には不似合い、カットしたほうがいいと思いました。
映画に松本幸四郎が保科正之役で出ていますが、保科正之は3代家光の異母弟です。秀忠亡き後、家光に会い、その後家光が亡き後も幕府を補佐し、会津藩初代藩主でありながら大老になり、幕府の基礎をつくった名君です。有名な話は、明暦の大火で江戸城の天守閣が焼失した時に、もはや戦の時代ではない、天守閣は必要ないと言って作らないで、江戸の町の復興にお金を使った人です。
今の日本の政治家に真似てほしい人物です。
エンドロールがなかなか洒落ていて、正月や雛祭りなどお節句の飾りが映像化しています。はじめ何か分りませんでしたが、これから観に行く人はよく見てください。
2012年09月14日
桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金
桃・柿育英会に募金しました。
子供が就職したので、携帯電話の料金だけでもお金が浮くと思ったからです。
震災から一年以上経ち、どうせ募金するならと思い「震災孤児、遺児のために使う」と目的がしっかりしていることと、95年の阪神の地震の時にも育英会はありましたから実績があること、また、発起人が小澤征爾、安藤忠雄、小柴昌俊等の顔が分ること、定期的にネット上に報告があることから桃・柿育英会に募金しました。
電話すると、すでに10年間、毎年1万円の募金は締め切りましたが、個別の募金は今でも受け付けている、金額はいくらでもいいということなので、振込先を調べて募金しました(ちなみに私が募金した額は秘密です)。
桃柿育英会mのホームページによると宮城、福島、岩手の3県で1705名の遺児、孤児がいるそうです。また、4月26日に二回目の送金が行われ、1,2回の合計で1,569,780,280円の送金がされたようです。
震災で、世界中から義援金が寄せられたと思いますが、(こんなこと書くと、それに携わっている人から怒られそうですが)一体何に使っているのでしょうか?
昨年の震災の後、アフガニスタンのカンダハルの市長から400万円の義援金が送られました。週刊誌か新聞に載った小さな記事でした。アフガニスタンはご存知の通り、9.11のテロの後、戦場になった国です。
以前に薮中三十二氏の「国家の命運」という本に、日本がアフガニスタンに戦後いろいろな援助をしていることが書いてありました。そのお礼だと思います。
義援金を送ってきたときのカンダハル市の市長ハミディの言葉です。
「日本のような国にとっては大したお金でないことは分っているが、カンダハル住民の感謝の印だ。」
調べれば発表しているのか知れませんが、なぜ、定期的にTV、新聞等では発表しないのか不思議です。月に一度ぐらい義援金の額とその使い道を公表すべきです。私はNHKは特にすべきだと思いますが、公表しないと義援金を送ってくれた世界中の人に申し訳ないと思いませんか?

子供が就職したので、携帯電話の料金だけでもお金が浮くと思ったからです。
震災から一年以上経ち、どうせ募金するならと思い「震災孤児、遺児のために使う」と目的がしっかりしていることと、95年の阪神の地震の時にも育英会はありましたから実績があること、また、発起人が小澤征爾、安藤忠雄、小柴昌俊等の顔が分ること、定期的にネット上に報告があることから桃・柿育英会に募金しました。
電話すると、すでに10年間、毎年1万円の募金は締め切りましたが、個別の募金は今でも受け付けている、金額はいくらでもいいということなので、振込先を調べて募金しました(ちなみに私が募金した額は秘密です)。
桃柿育英会mのホームページによると宮城、福島、岩手の3県で1705名の遺児、孤児がいるそうです。また、4月26日に二回目の送金が行われ、1,2回の合計で1,569,780,280円の送金がされたようです。
震災で、世界中から義援金が寄せられたと思いますが、(こんなこと書くと、それに携わっている人から怒られそうですが)一体何に使っているのでしょうか?
昨年の震災の後、アフガニスタンのカンダハルの市長から400万円の義援金が送られました。週刊誌か新聞に載った小さな記事でした。アフガニスタンはご存知の通り、9.11のテロの後、戦場になった国です。
以前に薮中三十二氏の「国家の命運」という本に、日本がアフガニスタンに戦後いろいろな援助をしていることが書いてありました。そのお礼だと思います。
義援金を送ってきたときのカンダハル市の市長ハミディの言葉です。
「日本のような国にとっては大したお金でないことは分っているが、カンダハル住民の感謝の印だ。」
調べれば発表しているのか知れませんが、なぜ、定期的にTV、新聞等では発表しないのか不思議です。月に一度ぐらい義援金の額とその使い道を公表すべきです。私はNHKは特にすべきだと思いますが、公表しないと義援金を送ってくれた世界中の人に申し訳ないと思いませんか?
2012年09月13日
女川原発の記事
9月9日の日経新聞の記事に、国際原子力機関(IAEA)他米、英、仏他の民間の原子力の専門家が東北電力の女川原発の建屋に入った記事がありました。
女川原発は、福島第一原発と同じように地震で揺れ、津波も押し寄せた三陸沿岸にあります。津波の被害がなかった理由は、高いところにつくったからですが、地震の影響はどれぐらいだったのか、私はほとんどTVや雑誌等で見たことがなかったのです。
彼らは、女川原発の被害がほとんどなかったことに驚いています。
また、記事では、英国のリスク分析会社のウディ・エプシュタインの言葉「東北電力は希望するすべての施設に立ち入らせてくれた。聞き取りにも十分応じた。」と東電との対応の違いを書いています。この人の奥さんは、日本人らしいので東北電力の人の言葉も間違わずに聞けたことでしょう。
また、国際原子力機関(IAEA)が入った理由は、東北電力の要望だそうです。「吉田所長ごくろうさま5~1665ヶ所のピー音」に書いたように、あれだけの事故をしてまだ隠している東電とは全然違うようです。
ウディ・エプシュタインは
「失敗から学ぶのも重要だが、うまくいった例からも貴重な教訓を引き出せる。」と書いています。
ウディ・エプシュタインも書いているように、うまくいった、なぜうまくいったか、を「釜石の奇跡」のよう奇跡という言葉で片付けずにキチンと調べるべきです。
先日のNHKの「釜石の奇跡」の特集番組で、冒頭に津波を逃れた小学生が、
「奇跡ではありません。実績です。」と教えられたことを実行しただけ、特別なことではないと言っていたことが印象深かったです。
女川原発が津波の被害を受けなかったのは、津波の予想が5.7mと聞いた当時の技術者が、15mのところに建てたからです(建築は大工がつくってきたが13参照)。地震にも津波にも耐えた理由はちゃんとあるのです。「奇跡」という言葉で片付けないで、次につながるようにしないと思います。

女川原発は、福島第一原発と同じように地震で揺れ、津波も押し寄せた三陸沿岸にあります。津波の被害がなかった理由は、高いところにつくったからですが、地震の影響はどれぐらいだったのか、私はほとんどTVや雑誌等で見たことがなかったのです。
彼らは、女川原発の被害がほとんどなかったことに驚いています。
また、記事では、英国のリスク分析会社のウディ・エプシュタインの言葉「東北電力は希望するすべての施設に立ち入らせてくれた。聞き取りにも十分応じた。」と東電との対応の違いを書いています。この人の奥さんは、日本人らしいので東北電力の人の言葉も間違わずに聞けたことでしょう。
また、国際原子力機関(IAEA)が入った理由は、東北電力の要望だそうです。「吉田所長ごくろうさま5~1665ヶ所のピー音」に書いたように、あれだけの事故をしてまだ隠している東電とは全然違うようです。
ウディ・エプシュタインは
「失敗から学ぶのも重要だが、うまくいった例からも貴重な教訓を引き出せる。」と書いています。
ウディ・エプシュタインも書いているように、うまくいった、なぜうまくいったか、を「釜石の奇跡」のよう奇跡という言葉で片付けずにキチンと調べるべきです。
先日のNHKの「釜石の奇跡」の特集番組で、冒頭に津波を逃れた小学生が、
「奇跡ではありません。実績です。」と教えられたことを実行しただけ、特別なことではないと言っていたことが印象深かったです。
女川原発が津波の被害を受けなかったのは、津波の予想が5.7mと聞いた当時の技術者が、15mのところに建てたからです(建築は大工がつくってきたが13参照)。地震にも津波にも耐えた理由はちゃんとあるのです。「奇跡」という言葉で片付けないで、次につながるようにしないと思います。
2012年09月12日
「ウェイバック 脱出6,500㎞」を観て~これが実話とは
「ウェイバック 脱出6,500㎞」を観に行きました。
第二次大戦中のソ連の収容所を脱出し、シベリア、モンゴル、ゴビ砂漠、チベット、ヒマラヤ、インドまで、約一年間ひたすら歩き続けた男たちの物語です。
雪山、バイカル湖、高原、延々と続く砂漠、高山のチベット、再びヒマラヤの雪山、そして、緑のお茶畑のラストストシーンまで、自然のなかをただただ歩く、これが本当の話ということが本当にすごい。
吹雪を避けるため、木の皮をめくりお面のようにして進む、泥水をすするシーン、落ち葉の中から虫を探して食べるシーン、蛇を捕まえ食べるシーン、砂嵐、蚊に付きまとわれるシーン、そして、延々と続く砂漠のシーン。生きていくために、自由を手に入れるためひたすら歩き続けます。
「大脱走」のように脱出するシーンは、短く、脱出の仲間を集めるシーンからいきなり収容所を抜け後は歩くだけです。敵はソ連ではなく、大自然が相手です。映画のラストでインドに着いた時、青々とした茶畑に、たくさんの人がいるシーンを見て、見ているこちらも安堵感がわきました。
砂漠のシーンでは、見ているこちらものどが渇くような気になりました。「アラビアのロレンス」以来のシーンではないでしょうか。

第二次大戦中のソ連の収容所を脱出し、シベリア、モンゴル、ゴビ砂漠、チベット、ヒマラヤ、インドまで、約一年間ひたすら歩き続けた男たちの物語です。
雪山、バイカル湖、高原、延々と続く砂漠、高山のチベット、再びヒマラヤの雪山、そして、緑のお茶畑のラストストシーンまで、自然のなかをただただ歩く、これが本当の話ということが本当にすごい。
吹雪を避けるため、木の皮をめくりお面のようにして進む、泥水をすするシーン、落ち葉の中から虫を探して食べるシーン、蛇を捕まえ食べるシーン、砂嵐、蚊に付きまとわれるシーン、そして、延々と続く砂漠のシーン。生きていくために、自由を手に入れるためひたすら歩き続けます。
「大脱走」のように脱出するシーンは、短く、脱出の仲間を集めるシーンからいきなり収容所を抜け後は歩くだけです。敵はソ連ではなく、大自然が相手です。映画のラストでインドに着いた時、青々とした茶畑に、たくさんの人がいるシーンを見て、見ているこちらも安堵感がわきました。
砂漠のシーンでは、見ているこちらものどが渇くような気になりました。「アラビアのロレンス」以来のシーンではないでしょうか。
2012年09月09日
「最強のふたり」を観て~タイトルが???
「最強のふたり」を観に行きました。
事故で障害者(首から下は動かない)になった大富豪フィリップがスラムに住む黒人ドリスを介護者として雇うことから違う世界のふたりが一つの家で生活するという物語です。
冒頭、スピード違反で警官に捕まり、フィリップを病院に行くためだと言い訳し、警官に病院まで先導させるシーンから始まります。障害者のフィリップは、緊急に病院へ行かないといけないような芝居をし、ドリスのウソに付き合い警官をだますことから、ふたりの関係が特別な関係ということを思わせます。
映画は、面接のシーンから二人の生活が始まり、車いす専用の車でなくスポーツカーでフィリップを連れ出すことなどドリスがフィリップを特別扱いしないことから、フィリップはドリスを信用していきます。次第にフィリップの秘書達もドリスに心を許します。その中で冗談と皮肉いっぱいの言葉が飛び交います。
「本当の障害は彼女(妻)を亡くしたことだ。」とドリスに語るフィリップ。フィリップの孤独感はドリスでも埋められないのです。
ドリスは、弟のことで介護者をやめます。フィリップの生活は荒れていきます。呼ばれたドリス。冒頭の警官に捕まるシーンに映画は戻ります。
ラスト、ドリスがフィリップの文通相手の女性に送るはずだった写真を持ってやめたことから、なんとなくわかりましたが、フィリップが自分が障害者と言えなかった文通相手にドリスが全てを話し、その女性がフィリップの前に現れます。フィリップの「本当の障害は彼女(妻)を亡くしたことだ。」は満たされたようです。
エンドロールに本人が出ています。フィリップはその後子供もできたようです。
この映画が、本当のことということが一番面白い作品でした。
観客の数が意外に多くてびっくりしました。
ただ、タイトルが「最強のふたり」ですが、原題は「UNTOUCHABLE」です。UNTOUCHABLEを調べると「触れていない、手に余る」などの意味です。「最強のふたり」のタイトルは映画の内容と合っていないのではないかと思うのですが、観た方導思いますか?

事故で障害者(首から下は動かない)になった大富豪フィリップがスラムに住む黒人ドリスを介護者として雇うことから違う世界のふたりが一つの家で生活するという物語です。
冒頭、スピード違反で警官に捕まり、フィリップを病院に行くためだと言い訳し、警官に病院まで先導させるシーンから始まります。障害者のフィリップは、緊急に病院へ行かないといけないような芝居をし、ドリスのウソに付き合い警官をだますことから、ふたりの関係が特別な関係ということを思わせます。
映画は、面接のシーンから二人の生活が始まり、車いす専用の車でなくスポーツカーでフィリップを連れ出すことなどドリスがフィリップを特別扱いしないことから、フィリップはドリスを信用していきます。次第にフィリップの秘書達もドリスに心を許します。その中で冗談と皮肉いっぱいの言葉が飛び交います。
「本当の障害は彼女(妻)を亡くしたことだ。」とドリスに語るフィリップ。フィリップの孤独感はドリスでも埋められないのです。
ドリスは、弟のことで介護者をやめます。フィリップの生活は荒れていきます。呼ばれたドリス。冒頭の警官に捕まるシーンに映画は戻ります。
ラスト、ドリスがフィリップの文通相手の女性に送るはずだった写真を持ってやめたことから、なんとなくわかりましたが、フィリップが自分が障害者と言えなかった文通相手にドリスが全てを話し、その女性がフィリップの前に現れます。フィリップの「本当の障害は彼女(妻)を亡くしたことだ。」は満たされたようです。
エンドロールに本人が出ています。フィリップはその後子供もできたようです。
この映画が、本当のことということが一番面白い作品でした。
観客の数が意外に多くてびっくりしました。
ただ、タイトルが「最強のふたり」ですが、原題は「UNTOUCHABLE」です。UNTOUCHABLEを調べると「触れていない、手に余る」などの意味です。「最強のふたり」のタイトルは映画の内容と合っていないのではないかと思うのですが、観た方導思いますか?
2012年09月07日
吉田所長ごくろうさま5~1665ヶ所のピー音
9月5日の朝日新聞の記事に、福島第一原発の東電テレビ会議のやり取りが載っていました公開された。期間は昨年の3月11日の午後6時27分~3月16日の午前0時2分までです。
記事の中で足りないもの、冷却水、ポンプ車とその運転手、バッテリー、ガソリンとガソリンを運ぶ車と運転手、現金など、これがその時あれば爆発を防げたものがたくさん書いてあります。いずれもこの国では特別なものではありません。
重機の運転手は関係会社、敷地内にバッテリーの備蓄がないため、社員の車のバッテリーを外すなど、原発で事故が起きることは全く考えていなかったようです。
吉田所長には、東電の指示や質問だけでなく、官邸や原子力保安院の質問と要求の多くも東電本部では答えずに吉田所長にそのまま回していました。ただでさえ、現場は混乱してその指示でも手一杯なのに、この記事ではますます混乱するように東電がしているようでした。
以前に吉田所長が言っていたようにに、指揮系統はメチャメチャだったようです(吉田所長ごくろうさま2参照)。

公開された150.5時間の中で、1665か所に「ピー音」をかぶせ、音声が聞こえるのは、49時間(約3分の一)しかないそうです。
これだけの事故を起こして、まだ、個人名が出ることなどを理由に一般公開していません。視聴できるのは報道機関、但し、録音録画は禁止では、これから原発事故を起こさないようにする気が東電と政府にはないのではないでしょうか。
記事の中で足りないもの、冷却水、ポンプ車とその運転手、バッテリー、ガソリンとガソリンを運ぶ車と運転手、現金など、これがその時あれば爆発を防げたものがたくさん書いてあります。いずれもこの国では特別なものではありません。
重機の運転手は関係会社、敷地内にバッテリーの備蓄がないため、社員の車のバッテリーを外すなど、原発で事故が起きることは全く考えていなかったようです。
吉田所長には、東電の指示や質問だけでなく、官邸や原子力保安院の質問と要求の多くも東電本部では答えずに吉田所長にそのまま回していました。ただでさえ、現場は混乱してその指示でも手一杯なのに、この記事ではますます混乱するように東電がしているようでした。
以前に吉田所長が言っていたようにに、指揮系統はメチャメチャだったようです(吉田所長ごくろうさま2参照)。
公開された150.5時間の中で、1665か所に「ピー音」をかぶせ、音声が聞こえるのは、49時間(約3分の一)しかないそうです。
これだけの事故を起こして、まだ、個人名が出ることなどを理由に一般公開していません。視聴できるのは報道機関、但し、録音録画は禁止では、これから原発事故を起こさないようにする気が東電と政府にはないのではないでしょうか。