2012年02月29日
「ものすごくうるさくてありえないほど近い」を観て
先日公開された「ものすごくうるさくてありえないほど近い」を観ました。
9・11で父を亡くした少年の話。その日の電話がトラウマになって、母ともうまくいかなくなっています。生きていいたころの父との関係か「調査探検」というゲームで語られます。
少年オスカーは父の部屋から見つけた鍵に何かメッセージがあるのではと、ニューヨーク中を捜しまわります。「Black」というメッセージとともに。持っていき場のない気持ちを一本のカギに託して走ります。
オスカーの視線で街の映像が流れます。祖母の家の間借り人が途中から一緒に捜します。この間借り人のおじいさんは、何もしゃべらない(しゃべれないのではない、しゃべることをやめてしまった人)ので筆談。この間借り人が、映画の中で死んだ父の代わりをします。禅問答のようなセリフを言って。
間借り人とオスカーが捜して見つからず、赤い壁の前で対立するシーンはこの次の展開を予測させます。
オスカーが会ったたくさんのブラックさんに、手紙を書いてその手紙を読むたくさんのブラックさんの映像はほほえましかったです。オスカーのしたことが、たくさんのブラックさんの心に何か小さな火を通したような感じでした。
映画は母子で父の死を乗り越え、同時に、祖父母の再生と鍵の持ち主が解かります。
オスカー少年の役をクイズ番組に出ていた少年トーマス・ホーンが、初めての映画出演とは思えない演技で演じています。
「鍵の持ち主ブラックさんを捜す」ことに違和感(変なストーリーと思ってしまうと)を持てばただのつまらない話になりますが、9・11の経験者にとって、「なんでこんなことをするのだろう。」というそんな常識から外れた無駄なことをする気持ちを持つのかもしれせん。そう考えるとなかなかいい脚本だと思いました。
オスカー少年のナレーションで一番初めに「今生きている人類の数の方が、今まで死んだ全人類の数よりも多い。」は正直、ビックリしました。人の増加程、環境破壊はないのかもしれません。
パンフレットは、鍵穴のカバーとオスカーのノートのような作りで○。

9・11で父を亡くした少年の話。その日の電話がトラウマになって、母ともうまくいかなくなっています。生きていいたころの父との関係か「調査探検」というゲームで語られます。
少年オスカーは父の部屋から見つけた鍵に何かメッセージがあるのではと、ニューヨーク中を捜しまわります。「Black」というメッセージとともに。持っていき場のない気持ちを一本のカギに託して走ります。
オスカーの視線で街の映像が流れます。祖母の家の間借り人が途中から一緒に捜します。この間借り人のおじいさんは、何もしゃべらない(しゃべれないのではない、しゃべることをやめてしまった人)ので筆談。この間借り人が、映画の中で死んだ父の代わりをします。禅問答のようなセリフを言って。
間借り人とオスカーが捜して見つからず、赤い壁の前で対立するシーンはこの次の展開を予測させます。
オスカーが会ったたくさんのブラックさんに、手紙を書いてその手紙を読むたくさんのブラックさんの映像はほほえましかったです。オスカーのしたことが、たくさんのブラックさんの心に何か小さな火を通したような感じでした。
映画は母子で父の死を乗り越え、同時に、祖父母の再生と鍵の持ち主が解かります。
オスカー少年の役をクイズ番組に出ていた少年トーマス・ホーンが、初めての映画出演とは思えない演技で演じています。
「鍵の持ち主ブラックさんを捜す」ことに違和感(変なストーリーと思ってしまうと)を持てばただのつまらない話になりますが、9・11の経験者にとって、「なんでこんなことをするのだろう。」というそんな常識から外れた無駄なことをする気持ちを持つのかもしれせん。そう考えるとなかなかいい脚本だと思いました。
オスカー少年のナレーションで一番初めに「今生きている人類の数の方が、今まで死んだ全人類の数よりも多い。」は正直、ビックリしました。人の増加程、環境破壊はないのかもしれません。
パンフレットは、鍵穴のカバーとオスカーのノートのような作りで○。
2012年02月24日
「光市母子殺人事件の判決」の記事から
1月20日に約13年の月日ののち裁判は終わりました。
以前、門田隆将著「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」新潮社刊 を読んでいたので、本村さんには「御苦労さま」そしてこれからの被害者のために「ありがとう」言いたい気持ちです。
奥さんと娘さんを同時に失う、しかも、何の罪もない、11か月の子も…殺人をしても「少年法」に守られる加害者、しかも顔も名前も公表されない。逆に、被害者の家族は顔から年齢、ありとあらゆることが公表される。本を読んでいたときに、確かに被害者のことを守る法律はない、社会ではないと思いました。
2000年の判決のあと、本村さんは、「司法には絶望しました。控訴、上告は望みません。早く被告を社会にだして私の手の届くところに置いてほしい。私がこの手で殺します。」「遺族だって回復しないといけないんです。被害から。人を憎む、恨む、そういう気持ちを乗り越えて、また優しさを取り戻すには…死ぬほどの努力をしないといけないんです。」とTVのインタビューに答えたのです。
その時の総理は小渕総理で記者団に「本村さんの気持ちに政治家として答えないといけない。」と決断、3つの法律を通して亡くなります。しかし、この法律の成立が、それまで裁判を傍聴することしかできなかった被害者は、法廷で意見陳述を述べることができるようになるのです
そして、本村さんは2003年に全国犯罪被害者の会の人たちともに、小泉総理に会い「もっと被害者が裁判に参加して、自分の意見を言ったり、公の場で気持ちを打ち明ける場所作らないといけないと思います。」と訴え、それを聞いた小泉総理はすぐに「こりゃいかん。すぐやろう。」と言って、翌年、弁護士会の反対を押し切り、犯罪被害者保護の法律を成立させたのです。
本の中で2000年の判決の直後、TV出演のため飛行機に乗った本村さんに、CAが「がんばってください。」とだるまのキーホルダーを渡した話と事件の三ヶ月後に辞表を出そうとした本村さんに上司の日高さんの言った言葉「この職場で働くのが嫌なら辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に訴えたいこともあるだろう。でも、君は社会人として発言してくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は社会人たりなさい。」は本を読んでいて本当にいい言葉、エピソードだと思いました。
2009年に結婚されていたらしいですね。いろいろと言う人がいると思いますが、私は「よかった、おめでとう」と言いたいです。判決が出たあと、本村さんは一人で生きていけるのだろうか、気が抜けてしまうのではと思っていましたので。一緒にお墓に言ってくれるような方らしいですから、これから幸せになってほしいと思います。
このブログを読んだ方、ぜひ、冒頭のタイトルの本一度読んでみてください。必ず法を守ることが本当に正しいのか、法律も人が作ったもの、完璧ではないということを考えさせられます。
今回の報道を見ても、少年法とか死刑の判決のことが多く報道されますが、事件当時の日本では被害者のことを考えない裁判、報道が平気で行われていたことが当たり前だったこと、本村さんたちの活動で少しは変わってきたことはあまり報道されていません。今回の判決のあとも、本村さんの過去の映像が流れますが、カットして、その当時の状況は報道されないため、なぜこうなったのかよくわかりません。見ていてこんな報道でいいのか「なぜ、23歳の若者が13年かけて闘ったのか」は忘れられていると僕は思っています。
是非お勧めします。2010年に文庫になっています。

以前、門田隆将著「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」新潮社刊 を読んでいたので、本村さんには「御苦労さま」そしてこれからの被害者のために「ありがとう」言いたい気持ちです。
奥さんと娘さんを同時に失う、しかも、何の罪もない、11か月の子も…殺人をしても「少年法」に守られる加害者、しかも顔も名前も公表されない。逆に、被害者の家族は顔から年齢、ありとあらゆることが公表される。本を読んでいたときに、確かに被害者のことを守る法律はない、社会ではないと思いました。
2000年の判決のあと、本村さんは、「司法には絶望しました。控訴、上告は望みません。早く被告を社会にだして私の手の届くところに置いてほしい。私がこの手で殺します。」「遺族だって回復しないといけないんです。被害から。人を憎む、恨む、そういう気持ちを乗り越えて、また優しさを取り戻すには…死ぬほどの努力をしないといけないんです。」とTVのインタビューに答えたのです。
その時の総理は小渕総理で記者団に「本村さんの気持ちに政治家として答えないといけない。」と決断、3つの法律を通して亡くなります。しかし、この法律の成立が、それまで裁判を傍聴することしかできなかった被害者は、法廷で意見陳述を述べることができるようになるのです
そして、本村さんは2003年に全国犯罪被害者の会の人たちともに、小泉総理に会い「もっと被害者が裁判に参加して、自分の意見を言ったり、公の場で気持ちを打ち明ける場所作らないといけないと思います。」と訴え、それを聞いた小泉総理はすぐに「こりゃいかん。すぐやろう。」と言って、翌年、弁護士会の反対を押し切り、犯罪被害者保護の法律を成立させたのです。
本の中で2000年の判決の直後、TV出演のため飛行機に乗った本村さんに、CAが「がんばってください。」とだるまのキーホルダーを渡した話と事件の三ヶ月後に辞表を出そうとした本村さんに上司の日高さんの言った言葉「この職場で働くのが嫌なら辞めてもいい。君は特別な経験をした。社会に訴えたいこともあるだろう。でも、君は社会人として発言してくれ。労働も納税もしない人間が社会に訴えても、それはただの負け犬の遠吠えだ。君は社会人たりなさい。」は本を読んでいて本当にいい言葉、エピソードだと思いました。
2009年に結婚されていたらしいですね。いろいろと言う人がいると思いますが、私は「よかった、おめでとう」と言いたいです。判決が出たあと、本村さんは一人で生きていけるのだろうか、気が抜けてしまうのではと思っていましたので。一緒にお墓に言ってくれるような方らしいですから、これから幸せになってほしいと思います。
このブログを読んだ方、ぜひ、冒頭のタイトルの本一度読んでみてください。必ず法を守ることが本当に正しいのか、法律も人が作ったもの、完璧ではないということを考えさせられます。
今回の報道を見ても、少年法とか死刑の判決のことが多く報道されますが、事件当時の日本では被害者のことを考えない裁判、報道が平気で行われていたことが当たり前だったこと、本村さんたちの活動で少しは変わってきたことはあまり報道されていません。今回の判決のあとも、本村さんの過去の映像が流れますが、カットして、その当時の状況は報道されないため、なぜこうなったのかよくわかりません。見ていてこんな報道でいいのか「なぜ、23歳の若者が13年かけて闘ったのか」は忘れられていると僕は思っています。
是非お勧めします。2010年に文庫になっています。
2012年02月22日
「はやぶさ~遥かなる帰還」を観て
先日公開された「はやぶさ~遥かなる帰還」を観ました。個人的には、前の「ハヤブサ」よりも好きでした。
前作は、竹内結子の役が気に入りませんでしたが(竹内結子が嫌いではありません)、今度の主人公は、モデルは川口淳一郎、主演渡辺兼の「はやぶさプロジェクト」リーダー役、打ち上げから帰還までを丁寧に映像化しています。出演者の家族はほとんど出てきませんから、それだけ綿密にハヤブサの映像が語られます。
何より、吉岡の演じたNECの社員は本当にいい役でした。民間から一人参加している彼は、ほかの人(JAXA)とは、環境も待遇も時間さえ違います。徹夜明けでも、出勤しないといけない。全く、企業のことを考えない、科学者の観点でしか考えないJAXAの人と一線を介しています。吉岡にはJAXAの人が言う言葉は受けいれることができない、その苦悩は良かったと思います。
ラスト、エンジンをバイパス接続して復活させるシーンでは、吉岡の一人舞台、山崎の町工場のおやじと同じ仕事をしていても同じように報われない人に光を当てていたことは好感を持てました。
夏川と山崎の親子シーンは良かったと思います。夏川が離婚していること、夏川の子は山崎に興味がわいていくところは、全体で短いシーンですがいいと思います。
ハヤブサのカメラは「2001年宇宙の旅」のハル9000のシーンを思い出しました。イトカワに着いたときなど、何度も印象的にカメラが出ます。ラストで燃え尽きる時もカメラが映ります。ナレーションがないので、かえって擬人化していたと思いました。
山崎の工場など、この国でものつくりを支えてきた人たちの悲哀が描かれているが、孫が興味を持つシーンは希望を持たせます。
中村がバイトから、スタッフになっていくことで時間の流れが語られています。
それにしても、3億キロの宇宙へ行って帰ってくる技術、これがだめならこうしたらという発想ができる「はやぶさ」のチームに比べ、地上にある安全装置が考えられない東電の福島原発は柔軟性のない、カチカチの頭か、本当に疑問を持った人は避けられたのではないだろうか。
映画の中で渡辺が言った
「どんな批判にも耐えられます。しかし、リスクから逃げたら、私は一生後悔します。」
は政治家にでも聴かせたいくらいです。
前作は、竹内結子の役が気に入りませんでしたが(竹内結子が嫌いではありません)、今度の主人公は、モデルは川口淳一郎、主演渡辺兼の「はやぶさプロジェクト」リーダー役、打ち上げから帰還までを丁寧に映像化しています。出演者の家族はほとんど出てきませんから、それだけ綿密にハヤブサの映像が語られます。
何より、吉岡の演じたNECの社員は本当にいい役でした。民間から一人参加している彼は、ほかの人(JAXA)とは、環境も待遇も時間さえ違います。徹夜明けでも、出勤しないといけない。全く、企業のことを考えない、科学者の観点でしか考えないJAXAの人と一線を介しています。吉岡にはJAXAの人が言う言葉は受けいれることができない、その苦悩は良かったと思います。
ラスト、エンジンをバイパス接続して復活させるシーンでは、吉岡の一人舞台、山崎の町工場のおやじと同じ仕事をしていても同じように報われない人に光を当てていたことは好感を持てました。
夏川と山崎の親子シーンは良かったと思います。夏川が離婚していること、夏川の子は山崎に興味がわいていくところは、全体で短いシーンですがいいと思います。
ハヤブサのカメラは「2001年宇宙の旅」のハル9000のシーンを思い出しました。イトカワに着いたときなど、何度も印象的にカメラが出ます。ラストで燃え尽きる時もカメラが映ります。ナレーションがないので、かえって擬人化していたと思いました。
山崎の工場など、この国でものつくりを支えてきた人たちの悲哀が描かれているが、孫が興味を持つシーンは希望を持たせます。
中村がバイトから、スタッフになっていくことで時間の流れが語られています。
それにしても、3億キロの宇宙へ行って帰ってくる技術、これがだめならこうしたらという発想ができる「はやぶさ」のチームに比べ、地上にある安全装置が考えられない東電の福島原発は柔軟性のない、カチカチの頭か、本当に疑問を持った人は避けられたのではないだろうか。
映画の中で渡辺が言った
「どんな批判にも耐えられます。しかし、リスクから逃げたら、私は一生後悔します。」
は政治家にでも聴かせたいくらいです。
2012年02月17日
「ドラゴン・タゥーの女」を観て
「ドラゴン・タゥーの女」を観に行きました。
「40年前に消えたハリエットを誰が殺したか?」の謎解きが作品の縦糸です。クリスマスで始まりクリスマスで終わります。
ファーストシーンは真っ白い世界で、電話をする老人とその会話と押し花がヒントです。それから一転、黒い画面に軽快な音楽、白と黒のシーンがこの映画のこれからを予感させます。
ダニエルとルーニーが出会うまでに1時間かかります。それまでに、ダニエルとルーニーの役の説明とともにスウェーデンという国のことが語られます。これが横糸になります。
ダニエルとルーニーが出会うと冒頭の音楽のようにスピードが速くなります。ハッキリ言ってはじめの1時間は変態の後見人のシーンがないと眠たくなりそうですが、複線がたくさんあり観ていないと後が面白くありません。
ダニエルの娘の一言が手帳の謎を解く鍵になります。その後の1時間、ハリエットを殺した(?)犯人がわかりますが、まだ、ハリエットはどうなったのかわかりません。
この映画を原作どおりスウェーデンで撮ったことがよかったと思います。現代のシーンは明るい映像でなく寒色系のですが過去のシーンは暖色系の映像になっています。ミステリーなので現代のシーンは暗いトーンに過去のシーンは明るいトーンにして色彩で時間を分けています。
ダニエルとルーニーの関係は、謎解きと一緒に深まっていき、名コンビとなります。
158分近い映画ですが、面白かったです。時間の長さははじめの1時間を我慢すればOK。タイトルの「ドラゴン・タゥーの女」はルーニーのことただそれだけです。かなり過激なシーンがありますのでこれから観に行く方は覚悟して。
パンフレットは重要なシーンはほとんど出ていません。パンフレットもスウェーデンの雪のシーンのトーンです。理由はわからないけれどパンフレットの保護紙が付いています。

「40年前に消えたハリエットを誰が殺したか?」の謎解きが作品の縦糸です。クリスマスで始まりクリスマスで終わります。
ファーストシーンは真っ白い世界で、電話をする老人とその会話と押し花がヒントです。それから一転、黒い画面に軽快な音楽、白と黒のシーンがこの映画のこれからを予感させます。
ダニエルとルーニーが出会うまでに1時間かかります。それまでに、ダニエルとルーニーの役の説明とともにスウェーデンという国のことが語られます。これが横糸になります。
ダニエルとルーニーが出会うと冒頭の音楽のようにスピードが速くなります。ハッキリ言ってはじめの1時間は変態の後見人のシーンがないと眠たくなりそうですが、複線がたくさんあり観ていないと後が面白くありません。
ダニエルの娘の一言が手帳の謎を解く鍵になります。その後の1時間、ハリエットを殺した(?)犯人がわかりますが、まだ、ハリエットはどうなったのかわかりません。
この映画を原作どおりスウェーデンで撮ったことがよかったと思います。現代のシーンは明るい映像でなく寒色系のですが過去のシーンは暖色系の映像になっています。ミステリーなので現代のシーンは暗いトーンに過去のシーンは明るいトーンにして色彩で時間を分けています。
ダニエルとルーニーの関係は、謎解きと一緒に深まっていき、名コンビとなります。
158分近い映画ですが、面白かったです。時間の長さははじめの1時間を我慢すればOK。タイトルの「ドラゴン・タゥーの女」はルーニーのことただそれだけです。かなり過激なシーンがありますのでこれから観に行く方は覚悟して。
パンフレットは重要なシーンはほとんど出ていません。パンフレットもスウェーデンの雪のシーンのトーンです。理由はわからないけれどパンフレットの保護紙が付いています。
2012年02月09日
麒麟の翼」を観て
「麒麟の翼」を観に行きました。
全く予備知識がありません。TVの「新参者」も「赤い指」も観ていませんでしたが、約二時間、時間を忘れて観ることが出来ました。なかなか、謎解きが繋がらないところはいい脚本だと思います。
「麒麟の翼」の像と「キリンノツバサ」という言葉と冒頭の田中麗奈の言葉「何もわかっていない」という言葉が鍵になります。
殺人事件の解明を縦糸に阿部と父の関係と中井と息子の父子関係を横糸に話は進みます。学校での事故が数年後に事件になる。劇団ひとりの演技はイマイチでしたが、無責任な教師の官僚的な発想が数年後に事件を大きくした。何度も事件を止める機会があったのに事件になってしまう。「何もしない」こと「しなければ誰かがするか、時間が解決する」という無責任さが非常に心に残りました。
どこかで誰かが問題を解決しようとすれば腹を割って話をすれば起こらない事件だったという結論は、ある意味今の日本の社会のようです。今、大阪の橋本市長のことがメディアに取り上げられ人気があるのも本当のこと当たり前のことを言っているからでしょう。
阿部が劇団ひとりに最後に言う「間違ったことを教えたヤツに教師の資格はない。」はいい言葉です。
TVのリポーター役はCBCの古川アナウンサーでないのかな?よく似ていたけれどエンドロールを見ていたけれど名前はなかったようでしたが、見落としたかもしれません。

全く予備知識がありません。TVの「新参者」も「赤い指」も観ていませんでしたが、約二時間、時間を忘れて観ることが出来ました。なかなか、謎解きが繋がらないところはいい脚本だと思います。
「麒麟の翼」の像と「キリンノツバサ」という言葉と冒頭の田中麗奈の言葉「何もわかっていない」という言葉が鍵になります。
殺人事件の解明を縦糸に阿部と父の関係と中井と息子の父子関係を横糸に話は進みます。学校での事故が数年後に事件になる。劇団ひとりの演技はイマイチでしたが、無責任な教師の官僚的な発想が数年後に事件を大きくした。何度も事件を止める機会があったのに事件になってしまう。「何もしない」こと「しなければ誰かがするか、時間が解決する」という無責任さが非常に心に残りました。
どこかで誰かが問題を解決しようとすれば腹を割って話をすれば起こらない事件だったという結論は、ある意味今の日本の社会のようです。今、大阪の橋本市長のことがメディアに取り上げられ人気があるのも本当のこと当たり前のことを言っているからでしょう。
阿部が劇団ひとりに最後に言う「間違ったことを教えたヤツに教師の資格はない。」はいい言葉です。
TVのリポーター役はCBCの古川アナウンサーでないのかな?よく似ていたけれどエンドロールを見ていたけれど名前はなかったようでしたが、見落としたかもしれません。
2012年02月04日
福島第一原発の原子炉建屋のカバーの記事から2~解体修理
(昨日のブログを投稿した後、考えたことです。内容は原子炉建屋カバーのこととは関係ありません。)
昔、読んだ本でセビリア万博のときの日本館が、安藤忠雄氏の設計で木造の建物でした。組み立てるのに全て加工して搬入し、一度に組上げたため工事中の他の国の職人が見物に来た話がありました。
法隆寺が世界遺産に登録されるときも、審査に来た外国の委員は1300年前の材料ではなく、新しい材料で建直していると考えていたようで、木造建築にそれほど耐久性があると考えていなかったそうです。
もしかすると、「解体修理」という言葉は他の国にはないのかもしれません。いまある建物を新しい材料でまた組上げるか、建物を修理するしかないと考えているのでしょう。
実際、日本の大工の考えた工法は最もリフォームに適しています。今、リフォームが流行っていますが、それも、ほとんど大工が耐久性のある木材を加工し、かつ、金物を最小限にしか使わなかったからだと思います。鉄を使えば鉄が錆びて木材を傷めます。金属を多用した木造建築は寿命が短いと思います。

昔、読んだ本でセビリア万博のときの日本館が、安藤忠雄氏の設計で木造の建物でした。組み立てるのに全て加工して搬入し、一度に組上げたため工事中の他の国の職人が見物に来た話がありました。
法隆寺が世界遺産に登録されるときも、審査に来た外国の委員は1300年前の材料ではなく、新しい材料で建直していると考えていたようで、木造建築にそれほど耐久性があると考えていなかったそうです。
もしかすると、「解体修理」という言葉は他の国にはないのかもしれません。いまある建物を新しい材料でまた組上げるか、建物を修理するしかないと考えているのでしょう。
実際、日本の大工の考えた工法は最もリフォームに適しています。今、リフォームが流行っていますが、それも、ほとんど大工が耐久性のある木材を加工し、かつ、金物を最小限にしか使わなかったからだと思います。鉄を使えば鉄が錆びて木材を傷めます。金属を多用した木造建築は寿命が短いと思います。
2012年02月03日
福島第一原発の原子炉建屋のカバーの記事から
1月25日と2月1日の朝日新聞に原子炉建屋の放射性物質飛散カバーの工事のことが書いてありました。
放射線の量が多いのでどうやって建てたのかと思っていました、人が近くで作業できないため、通常鉄骨工事に使うボルトを使わない工法が採用されたようです。その工法が、日本の大工が木造建築に使ってきたほぞ加工にヒントを得た工法で、一度、仮組みして現場に搬入して組み建てたそうです。
考えたのは清水建設の印藤さんだそうで、アイデアの秘訣は「手を動かすこと」ということでした。
以前に読んだ記事に、確か建築家吉村順三氏(ブログ 建築は大工が造ってきたが8参照)の弟子の方が若い人がCADの普及でのスケッチを書かない、手を動かして考えないことを嘆いていましたが、物を考える人は共通する言葉、考え方なんだなと思いました。
私も設計のときにCADは使っていません。手で描くといろいろなことが分るから、考えるからです。
放射線の量が多いのでどうやって建てたのかと思っていました、人が近くで作業できないため、通常鉄骨工事に使うボルトを使わない工法が採用されたようです。その工法が、日本の大工が木造建築に使ってきたほぞ加工にヒントを得た工法で、一度、仮組みして現場に搬入して組み建てたそうです。
考えたのは清水建設の印藤さんだそうで、アイデアの秘訣は「手を動かすこと」ということでした。
以前に読んだ記事に、確か建築家吉村順三氏(ブログ 建築は大工が造ってきたが8参照)の弟子の方が若い人がCADの普及でのスケッチを書かない、手を動かして考えないことを嘆いていましたが、物を考える人は共通する言葉、考え方なんだなと思いました。
私も設計のときにCADは使っていません。手で描くといろいろなことが分るから、考えるからです。