2012年07月26日

西の窓が大きい家2(庇の使い方)

夏の日差しは、南の窓は庇(ひさし)を付ければ日射量を減らすことができますが、東西の窓は庇を付けても防ぐことができません。なぜなら、太陽高度が低いからです(下図参照)。

東の窓は、まだ気温が低い時間に日が入りますが、西の窓は日中の厚くなった部屋に追い打ちをかけるように、日(熱)が入ります。また、前述のように庇は役に立ちません。
本来、夏に南の庇は太陽高度が高いため、小さくても非常に有効です。西の窓の庇とその効果は全く違うのです。

建築の仕事に関って、25年を超えましたが、南に面した家で南の窓を小さくして、東西の窓を大きくする。よく解りません。

冬に南の窓が大きければ、太陽高度が夏より低い(下の図の東と西の窓と同じようになる)ため、庇に関係なくたっぷりと光とともに熱が入ります。また、冬の東と西の窓は日照時間が短く、気温も低いのであまり役に立たないのです。

これで、節電に向いているのでしょうか?1で書いたように何か特別なことをしているのでしょうか。
本当にこの家の設計は、よく解りません??????????


  


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2012年07月25日

西の窓が大きい家1

下の写真は、 最近見た建て売り住宅です。あるメーカーの住宅です。南東、南西から撮った写真です。

南向きの家(玄関は南にある)なのに、南の窓は写真のとおりたて長の小さい窓、東西の窓は普通の窓。なぜか、西と東の窓の方が南より大きいのです。

昔の家は、ほとんど西の窓には開口部はありません。夏の暑い日差しと冬の北西の風を防ぐためです。
耐震のバランスを取るためという理由は分りますが、それならば、もっと面積の小さい窓にすることを考えるべきだと思います。

断熱ガラスの性能が上がったからという理由も考えられますが、いくら性能が上がっても壁の厚みに比べたら問題外だと思います。それとも、エアコン等の設備があるから大丈夫というのでしょうか?

もっと考えられない方法で、日射制限しているというかもしれませんが、西窓から光とともに熱が家の中に入ることに変わりないと思います。

この家の設計者は、知っていてこの図面を書いたのでしょうか?それとも知らないで書いたのでしょうか?



  


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2012年05月25日

介護保険の仕事~ホールの手摺

 昨日の記事と同じ現場です。
玄関ホールから浴室、トイレ、寝室、食堂に移動できるように手摺を取付ました。







退院したおばあさんもスムーズに移動できる、病院よりもいいと喜ばれました。
  


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2012年05月24日

介護保険の仕事~前業者ダメな仕事

 最近、仕事した工事です。
80歳のおばあさんが一人で住んでいるのですが、骨折をして娘さんから、一人で暮らせるように手摺工事などの改築を依頼されました。

写真はトイレの写真ですが、昨年、訪問営業の業者が便器を取替えたそうなのですが、トイレの床がスリッパの高さだけ低くなっていますが、床を上げることなくそのまま工事しています(下の写真参照)。







娘さんに「なぜ、床を上げてもらわなかったのですか?」と聞いたところ
「私が知らないうちに工事したみたい。何の連絡もなかった。」と言うので
「せっかく、取り換えるのなら、床をフラットにしておけば、今回の工事でしなくてよかったのに、昨年付けた便器を一度取り外して床を上げ、また便器を取り付けないといけない。」と言うと
「じゃあ、騙されたみたい。」
「訪問業者はそんなものです。」と言うと
「でも、名刺にはインテリアコーデネィターと書いてあるけど…。」と聞くので
「資格は関係ありません。ちゃんとした提案をして工事できるから資格をもっているわけでなく、試験に合格しただけですから。」(ブログ「学校では教えてくれない」参照)。

取り換えた日は、昨年おじいさんが亡くなって2,3か月後らしく、一人暮らしになって間もなくのことだそうです。80代の一人暮らしの家に便器とベーパーホルダーだけ取り替えて、手摺もつけない、床も上げない、娘さんに何の連絡もしないで工事する。

結局、一番簡単にお金になる「物を売る」ことだけする業者です。悲しいですが本当にこういう業者が増えました。資格を持っていても何の提案もしないのなら、持ってないほうがましです。

下の写真は工事後の写真です。床を上げてフラットにし、戸も引き戸にして、手摺の位置も理学療法士と相談して付けました。壁、天井は工事していません。
退院したおばあさんに使いやすいとほめられました。


  


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2012年05月22日

10年間一度も使ってない浴室暖房機

このお宅は、浴室工事でなく別の工事を頂いたのですが、工事中に浴室を見せていただいた時の写真です。

下の写真は、約10年前に取り付けられた浴室暖房機の写真です。




ラベルに03年製と書いてあります。



この暖房機のフィルターを見ると全く新品(下の写真参照)。



この家は老夫婦が二人で暮らしています。

おばあさんに「なぜ使わないのか?」と聞くと
「何に使うのか知らないから…。」

おそらく業者が、給湯器の取換えと同時に勧めて取り付けたのでしょう。浴室暖房機を付けるには、それに対応できる給湯器が必要だからです。当然、普通の給湯器よりも高額です。最近はこういうことをする業者は、本当に増えました。

騙す気はなかったと言うかもしれませんが、使っていない以上、施主が望んで付けたものではないことは確かです。騙してないとは言えないと思いますが…。

  


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2012年04月07日

ああ、太陽光発電…2の4


新築ならば、はじめから計算することができます。

しかし、木造住宅のリフォームで載せるには、耐震診断の知識と木造住宅の構造に関して、深い知識と確かな経験がないとできないと思います。現場に行って調べないとわからないからです。

当然、建築会社が載せている場合は、調べてそれなりの計算をして、この地域で予想されている地震を考慮して載せていると思います。

では、建築に関係ない業者が地震のことを考えて設置しているのでしょうか?



  


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2012年04月06日

ああ、太陽光発電…2の3

「ああ、太陽後発電…1」で書いたように、最近ではリフォームでも太陽光パネルを載せています。

日本は、世界の震度6強の地震のうち20%が起きているといわれている地震の巣のような国です。その日本で環境にいいという理由で木造住宅の屋根に載せる、おかしいと思うのです。

エコ先進国ということで、ドイツのことなどが挙げられますが、ヨーロッパでは大きな地震はほとんどないのです。他の国で載せているから載せてもいいというのはおかしいと思います。


  


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2012年04月05日

ああ、太陽光発電…2の2

太陽光発電パネルを木造住宅に乗せることは当初から反対です。

木造住宅は、鉄筋コンクリートや鉄骨造と違い、軽いことが特徴です。軽い事は、建物にかかる地震の力が少なくて済む、木造住宅の利点なのです。

太陽光パネルを屋根に乗せれば掛かる地震力を増やすことになります。福島原発のことで自然エネルギーに転換することが叫ばれていますが、太陽光パネルを設置したことで地震で壊れては意味がないと思います。



  


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2012年03月30日

ああ、太陽光発電…2の1

3月20日の朝日新聞の記事に「マンション版エコ住宅」の記事がありました。マンションに太陽光パネルを載せる記事です。

他にも、電力会社がビルの屋根を借りて太陽光パネルで発電し、買い取ることが言われています。

太陽光パネルはコンクリートや鉄骨造の屋根に載せるべきです。なぜなら、構造体が重いためパネルの重さによる影響を受けないからです。地震による建物への影響を考慮しなくていいからです。


  


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2012年03月29日

ああ、太陽光発電…4

屋根の上に載せる以上、耐震の計算することは当然だと思います。
計算出来ない業者に設置する資格はないと思います。

太陽光パネルが電気製品として普及したことが一番の間違いです。

補助金もちゃんと仕事したときにしか払わなければいいのですが、補助金を払うことを決定する人は建築に詳しくなく、現場を見るわけでもなく、販売したか、しないかで判断するのでこういったことはなくならないでしょう。

補助金は税金です。補助金という名よりも税金といった方がいいと思います。 

結局、損をするのは消費者です。
それにしても、ひどい業者がいるものです。


  


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2012年03月28日

ああ、太陽光発電…3

太陽光パネルは、建築に関係ない業者も扱っています。
パネルを売って利益さえ出れば、後はどうでもいいのです。

パネルを載せた職人は気づいたと思いますが(載せている職人は建築関係の職人しかできないと思います)、おそらく下請け業者で載せていくらで仕事しているため何も言わないで工事したのでしょう。

「建築は大工がつくってきたが4」、「リフォームの時代10」に書いたように、職人は下請けのため何も言わないのです。もし、言えば仕事は止まり、工事そのものがダメになることもあります。そうなれば、その職人に次の仕事は来ません。
 



  


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2012年03月23日

ああ、太陽光発電…2

 自然エネルギー利用、補助金もでるということで普及していますが、最低でも20年間はメンテナンスのいらない屋根にしか載せてはいけません。屋根に塗装するたびに太陽光パネルを下ろしていたら、費用がかさむだけです。
 
 どこの業者が載せたのかどうか知りませんが、屋根の材料を見て勧めるべきです。屋根の材料も塗装しないといけない材料があるのです。そんなこともわからないのなら販売するべきではありません。



  


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2012年03月22日

ああ、太陽光発電…1

 昨年、外壁の塗り替え工事をしているときに、屋根の上で職人と打合わせをしていたときに、数十メートル先の家にピカピカの太陽光発電パネルが見えました。
 
 私の現場と同じ分譲地なので15年ほど前に建てられた家のようですが、最近になって太陽光パネルを屋根に載せたようです。でも屋根は瓦ではありません。

 屋根は一般にカラーベストといわれる石綿系の屋根材で何年かに一度塗装しないといけません。もう屋根の塗装は取れて塗装する時期を過ぎているようです。



  


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2011年10月26日

トイレの水漏れ

「便器から水が漏れるので見てほしい。」と以前に仕事をいただいたお客様から連絡があり、見に行きました。

便器の下を触ると確かに濡れています。便器の周りにティシュペーパーを敷き、数回水を流しました。ティシュペーパーに全く落ちていきません。

原因ウオッシュレットかなと思い、便座を外すと取り付け部分の金具の周りが濡れています。水道業者に聞くと
「何年前の便座?」と聞かれ
「2000年7月」と答えると
「たぶん、ノズルのところから漏れているから、サービスに電話して・・・。」という返事。

まず、奥様に電話の内容を説明し、加えて
「製造中止から10年で部品がなくなりますから今日電話した方がいいと思います。」と言ってメーカーサービスに電話していただきました。




夜の7時過ぎに奥様からの電話あり、その会話です。
「今日はありがとうございました。先ほど修理してもらいました。言われたとおり、あと数ヶ月で部品がなくなるそうです。それで今日来ていただいた代金はいくらですか?」

「以前にも仕事をいただいているので結構です。」

「来ていただいてタダでは申し訳ありません。」

「じゃあ、次の仕事の時に請求します。」

「それでよろしいのですか?」

「はい。また何かありましたら、電話してください。」

いつも丁寧な奥様で、こちらのことも気にかけてくだるいいお客さまの一人です。
  


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2011年09月20日

くぎ

以前に何度か仕事をいただいたお客様から電話がありました。
その内容は「外壁のトタンが飛んで行きそう!」

とにかく、伺うと外壁の塗装がしてあります。どこが飛んでいきそうなのかと思いつつ、インターホンを押すと奥様にこっち、こっちと手招きされ、外壁を見るとトタンの釘が抜けかかり、そして、そのままペンキが塗ってあります。

奥様に「心配ないですよ。今、打ち込んであげます。」と言って釘を締めなおしました。

締め直しながら奥様に
私  「ペンキ屋さんは、このことを知っていて塗っているのですよ。一言言ってくれればいいのに…。」

奥様 「ペンキを塗ってから抜けたのではないの?」

私  「違います。釘がスクリュー釘なのでどうしても回転して戻ってしまうのです。ペンキを塗れば刷毛がからまる
    ので、当然、知っているはずです。でも、面倒なので言わないのです。」

奥様 「そんな理由?」

私  「悲しいですが、最近はそんな職人が増えました。景気も悪いし、下請けだと『安くやれ。』としか元請に言わ
    れませんから、どうしても早く仕事を終わらせようとするのです。」

奥様 「あなたに相談したほうがよかった…。」

私  「なんでも相談してください。これで目に付く釘は打ち込みましたから。」

奥様 「費用は?」

私  「以前に何度も仕事をいただいているから結構です。また、何かありましたら呼んでください。」
と言って帰ってきました。

釘を打ち込んでいるときに壁を見ると、ペンキがたくさん垂れています。
塗装工事の職人が壁にタレを残していたら恥ずかしいと思わないのかと思いました。


  


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2011年09月12日

台風と漏電


台風12号が去った後、配電盤のブレイカーが入らないと連絡があったので、電気の職人と伺いました。

行って見ると配電盤の小ブレイカーが下がったままです。

台風の雨の影響だと考えてその回路の外部コンセント調べました。給湯器と防犯灯のプラグが刺さっています。
片方ずつコンセントにさしてみると、給湯器が漏電しています。

ガス工事の職人に電話。他の現場に行く前に寄ってくれました。

機械の前面パネルをはずしてみると、排気口から雨が入って機械の中に水が入ったことが判りました。
また、よく見ると、すでに不完全燃焼で銅が変色しています。
機械の製造日を見ると2000年、機械の取替えを勧めました。

さっそく注文、翌日には取替えをしました。

 帰り際に奥様が 「電気屋さんに悪いことしました。」と言うので
      
 私が  「仕方ありません。漏電していれば電気業者を呼ぶしか方法がありません。漏電箇所を調べるのも仕事
       のうちです。すぐに判ってよかったです。気になさらないでください。」 と言って帰って気ました。

職人のことを気遣ってくれるいいお客様です。

  


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2011年07月28日

フロいす



写真は、浴室の工事をいただいたお客様に差し上げている風呂のイスです。

仕事をいただいた記念に木を使った何かをと考えて、うちの職人がつくりました。

もちろん、ヒノキのむく材です。

先日、写真のイスを差し上げたお客様にも「売っているものより出来がいい」と大変喜んでいただきました。
  


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