2014年12月14日
「インターステラー」を観て2~マーフの物語
先日公開された「インターステラー」を再び観ました。
IMAXの大きな画面でもう一度見たかったことと、いろいろ確認したいと思ったからでした。一度観ているだけにあらすじは分っていますから細かいところまでよく観ることができました。
エンドロールを見ていて気付きました。そうかのこの映画はクーパーの娘マーフの成長物語でないだろうかと思いました。映画の中では124年の時間が経ちますが、ずっと出ているのはクーパーとその娘マーフとロボットTARSだけ、その中で普通に年をとるのはマーフだけです。しかも、父のクーパーは同じ思いがずっと続くのですが、マーフは冒頭の父親が大好きな娘から、家族を残し宇宙に行ってしまう父への拒絶、帰ってこられない父を知りウソつきとしてあきらめ、久し振りに帰った自宅の自分の部屋で父のメッセージに気づき科学者として人類を救い、かつ父への愛情を取り戻し、そしてラストで老婆となってクーパーに会う。成長していくのはマーフだけです。良く考えたら、一番初めに老婆が出て「父は農夫でした。」と語るのも年をとったマーフでした。
ラストで土星の周辺で救助されたクーパーがベッドの上で目覚めるとそこは宇宙コロニー「クーパーステーション」でした。クーパーステーションの名はマーフの業績を記念して名づけられていました。人類に貢献したのはあくまでマーフなのです。映画の中でマーフの一生が語られる物語です。そして彼女は自分より若い父クーパーに言います。「娘をみとる父はいません。貴方にはいくところがある…。」クーパーは宇宙船に乗って再び宇宙に旅立ちます。
もう一度見ても土星の横を航行する宇宙船エンデュランスは本当にきれいでした。
大きなホールで観る、深いストーリーの名作だと思います。

IMAXの大きな画面でもう一度見たかったことと、いろいろ確認したいと思ったからでした。一度観ているだけにあらすじは分っていますから細かいところまでよく観ることができました。
エンドロールを見ていて気付きました。そうかのこの映画はクーパーの娘マーフの成長物語でないだろうかと思いました。映画の中では124年の時間が経ちますが、ずっと出ているのはクーパーとその娘マーフとロボットTARSだけ、その中で普通に年をとるのはマーフだけです。しかも、父のクーパーは同じ思いがずっと続くのですが、マーフは冒頭の父親が大好きな娘から、家族を残し宇宙に行ってしまう父への拒絶、帰ってこられない父を知りウソつきとしてあきらめ、久し振りに帰った自宅の自分の部屋で父のメッセージに気づき科学者として人類を救い、かつ父への愛情を取り戻し、そしてラストで老婆となってクーパーに会う。成長していくのはマーフだけです。良く考えたら、一番初めに老婆が出て「父は農夫でした。」と語るのも年をとったマーフでした。
ラストで土星の周辺で救助されたクーパーがベッドの上で目覚めるとそこは宇宙コロニー「クーパーステーション」でした。クーパーステーションの名はマーフの業績を記念して名づけられていました。人類に貢献したのはあくまでマーフなのです。映画の中でマーフの一生が語られる物語です。そして彼女は自分より若い父クーパーに言います。「娘をみとる父はいません。貴方にはいくところがある…。」クーパーは宇宙船に乗って再び宇宙に旅立ちます。
もう一度見ても土星の横を航行する宇宙船エンデュランスは本当にきれいでした。
大きなホールで観る、深いストーリーの名作だと思います。
2014年12月12日
「フューリー」を観て~ノーマンの見た戦争
先日公開された「フューリー」を観ました。
戦争映画はたくさんありますが、戦車を主人公にした珍しい映画です。
ヨーロッパ戦線で戦う戦車フューリーに補充兵として新兵ノーマンが来たシーンから映画は始まります。戦闘に全く参加したことがないノーマンは見たことのないことばかり、戦車の闘い、戦争の悲惨さと共にノーマンの見た戦争が描かれています。
野戦、市街戦、世界最強のティガーとの戦い、そしてラストの300人との戦いと4つの異なる戦いが描かれますが
映画全体の印象は泥でした。歩く道、戦車の轍(わだち)、泥の中を兵隊は進みます。ノーマンは数々の体験をして最後に生き残りますが、彼を救ったのも自分に掛けた泥でした。
戦闘シーンは迫力もありよく作ったと思います。ラストの戦いは出来過ぎと思われますがそこは映画なので…。市街戦、姉妹の住んでいる家の調度品などドイツの町の再現はさすがハリウッドという感がありました。
残念なことは5人の兵が中心に話が進みますが、初めの頃にもっと簡単に一人一人のことが説明された方が良いと思いました。バイブルがなぜあれほど聖書を読んでいるのか、ドンが聖書に詳しい理由は、ノーマンがピアノを弾ける理由は…そのあたりがもっと分るとよかったと思います。
ラスト、ノーマンはドイツ兵に照らされますが、なぜか救われます。戦いつづき、人が死ぬシーンの続いた映画に一筋の光が射した瞬間でした。

戦争映画はたくさんありますが、戦車を主人公にした珍しい映画です。
ヨーロッパ戦線で戦う戦車フューリーに補充兵として新兵ノーマンが来たシーンから映画は始まります。戦闘に全く参加したことがないノーマンは見たことのないことばかり、戦車の闘い、戦争の悲惨さと共にノーマンの見た戦争が描かれています。
野戦、市街戦、世界最強のティガーとの戦い、そしてラストの300人との戦いと4つの異なる戦いが描かれますが
映画全体の印象は泥でした。歩く道、戦車の轍(わだち)、泥の中を兵隊は進みます。ノーマンは数々の体験をして最後に生き残りますが、彼を救ったのも自分に掛けた泥でした。
戦闘シーンは迫力もありよく作ったと思います。ラストの戦いは出来過ぎと思われますがそこは映画なので…。市街戦、姉妹の住んでいる家の調度品などドイツの町の再現はさすがハリウッドという感がありました。
残念なことは5人の兵が中心に話が進みますが、初めの頃にもっと簡単に一人一人のことが説明された方が良いと思いました。バイブルがなぜあれほど聖書を読んでいるのか、ドンが聖書に詳しい理由は、ノーマンがピアノを弾ける理由は…そのあたりがもっと分るとよかったと思います。
ラスト、ノーマンはドイツ兵に照らされますが、なぜか救われます。戦いつづき、人が死ぬシーンの続いた映画に一筋の光が射した瞬間でした。
2014年12月02日
「誰よりも狙われた男」を観て~フィリップ・シーモア・ホフマンの叫び
先日公開された「誰よりも狙われた男」を観ました。
二時間超、緊張した映画でした。
バッハマンが、人権団体の女性弁護士アナベルに現実を見ることを言い、協力することを勧めます。そして、ラストの会議室、アメリカのマーサがバッハマンに「情報提供者を長く使う理由を尋ねます。バッハマンは悩んだ末「世界平和」と答える。この言葉がラストの引き金を引いたようです。バッハマンは最後にはめられてしまう。「世界平和」という答えは、自分がアナベルに言った言葉と同じだったのだろうと思いました。
この作品はバッハマンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作でした。

二時間超、緊張した映画でした。
バッハマンが、人権団体の女性弁護士アナベルに現実を見ることを言い、協力することを勧めます。そして、ラストの会議室、アメリカのマーサがバッハマンに「情報提供者を長く使う理由を尋ねます。バッハマンは悩んだ末「世界平和」と答える。この言葉がラストの引き金を引いたようです。バッハマンは最後にはめられてしまう。「世界平和」という答えは、自分がアナベルに言った言葉と同じだったのだろうと思いました。
この作品はバッハマンを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンの遺作でした。