2013年05月04日

「リンカーン」を観て~最近は日本映画ではないなー…

「リンカーン」を観に行きました。
スピルバーグの新作、リンカーン大統領が南北戦争の終わりに奴隷制の憲法改正に生命をかけるほんの数カ月のドラマです。

冒頭に事前の知識のためにスピルバーグが日本の観客のために当時の状況を説明します。

南北戦争の終結前に憲法を改正し、戦争後に南部でも速やかに奴隷制度が廃止されるようにリンカーンは憲法改正に身命を掛けます。映画は改正し、戦争終結、そして、リンカーンの死で終わります。

南北戦争の戦闘シーンもなく、リンカーンの殺害シーンもありません。憲法改正の議場での群像劇、リンカーンの家族のドラマと憲法改正のためにリンカーンがどれだけ苦労したかが淡々と語られます。重たい映画なので面白いという映画ではありませんが、セットなど細かいところまで実に丁寧に作られています。

主演のダニエル・デイ=ルイスの演技も○でしたが、トミー・リー・ジョーンズが名演技でした。

それにしても、最近はこういう映画が日本では少ないのではないでしょうか?アメリカ以外ではそれほど観客は入らないでしょう。そんな映画をつくる、その資金が集まる。スピルバーグだからかもしれませんが、日本でこれほど骨太の映画をつくる人が最近いるでしょうか?

以前このブログで、福島の原発事故の後に黒澤明の「夢」をなぜ上映しないのかと書きました。新藤兼人の「一枚のはがき」以降、このような日本映画が見当たらないとももいます。私が知らないだけかもしれませんが…。


  


Posted by まちの大工さん  at 11:00Comments(0)映画の話