2014年02月25日

「大統領の執事の涙」を観て~題名に涙はいらない…

先日公開された「大統領の執事の涙」を観ました。
アイゼンハワーからレーガンまでホワイトハウスの執事を務めた黒人のセシルとその家族の物語です。タイトルの涙は、オバマが大統領になるシーンを見てセシルが流すのですが、そのシーンを見てタイトルに涙を付けるのは?でした。

綿花畑の濃度の子として生まれたセシルは、苦労しホテルからホワイトハウスの執事になります。結婚して男の子が二人います。ここまではさほど時間を掛けていません。映画はここから、特に長男ルイスとの仲たがいから、数十年後の和解までの物語です。息子ルイスは人種差別の社会に対して抵抗していきます。その過程を当時の人種差別からの開放運動と共に描いています。セシルはそんな息子の考えに反対、断絶してしまいます。

同じようにセシルは小さな抵抗をします。ホワイトハウスの執事の待遇を黒人と白人を同じにしてほしいと訴えることでした。初めに訴えてから数十年後、セシルは待遇改善を勝ち取ります。その後、レーガン夫人から晩さん会に招待されます。そこでセシルは給仕される側になったのです。
セシルはそれから仕事に打ち込めなくなり執事をやめます。給仕する側からされる側になり、見方が変わり初めて息子ルイスの事を理解し、ルイスに会い和解するのです。

題名に「涙」はいらないと思いました。第二時大戦後のアメリカの社会史をセシルの家族の視点から見た映画でした。農奴の子として生まれた自分の境遇と執事の子として生まれたルイスとの考えの違い、実際にこのような家族がたくさんいたのでしょう。その歴史を順に追って描いた作品でした。

セシルとルイスの行動を対比するように映像化しています。特に、パーティの準備するセシルとショット・イン運動するルイスのシーンを交互に見せたカットは◎でした。
執事





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Posted by まちの大工さん  at 09:00 │Comments(0)映画の話

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