2015年12月09日

「杉原千畝」を観て~杉原の成したモノの映像化


映画「杉原千畝」を観に行きました。6000人の命を救った外交官の物語です。杉原の発行したいわゆる「命のビザ」のことは知っていましたが、映画ではそのシーンはそれほど長くなく、杉原の足跡をたどるような展開でした。

杉原がリトアニアに行く前、行ってからビザの発給、リトアニアを離れ、東プロイセン、ルーマニア、戦後に貿易会社の社員としてモスクワに行くまでが描かれています。しかも、杉原のビザでリトアニアを離れ日本に向かうユダヤ人、リトアニアに残り逃げ遅れたユダヤ人まで丁寧に描かれています。

リトアニアを離れた後の杉原とユダヤ人が描かれていることはとても良いと思いました。ユダヤ人はビザの発給で解決したわけではなく、また、杉原もビザの発給で人生が終わるわけではないからです。戦後外務省から出されたことは知っていましたが、リトアニアの後独ソ戦の情報をつかんで報告し、その為にルーマニアに行ったことは初めて知りました。

ビザはただの紙だが、それが人の運命を変えてしまう。このことが映画の鍵です。ただの紙だけれどその紙はユダヤ人を救っただけでなく、杉原の運命も変えてしまいます。国のために働いた杉原に戦後の外務省の対応には、本当に腹が立ちましたが…。

観客の中には、小学生のお子さんもいました。海難1890も公開されていますが、日本中の学校で両作品とも上映したらと思います。どちらも、国と国の運命を変えた映画ですから…。

エンドロールは、杉原の写真がたくさん流れます。映画のカットに使われたものもありました。これから観に行く人は、最後まで立たないように
sugihara chiune


  


Posted by まちの大工さん  at 09:00Comments(0)映画の話