2012年02月29日

「ものすごくうるさくてありえないほど近い」を観て

先日公開された「ものすごくうるさくてありえないほど近い」を観ました。

9・11で父を亡くした少年の話。その日の電話がトラウマになって、母ともうまくいかなくなっています。生きていいたころの父との関係か「調査探検」というゲームで語られます。
少年オスカーは父の部屋から見つけた鍵に何かメッセージがあるのではと、ニューヨーク中を捜しまわります。「Black」というメッセージとともに。持っていき場のない気持ちを一本のカギに託して走ります。

オスカーの視線で街の映像が流れます。祖母の家の間借り人が途中から一緒に捜します。この間借り人のおじいさんは、何もしゃべらない(しゃべれないのではない、しゃべることをやめてしまった人)ので筆談。この間借り人が、映画の中で死んだ父の代わりをします。禅問答のようなセリフを言って。

間借り人とオスカーが捜して見つからず、赤い壁の前で対立するシーンはこの次の展開を予測させます。

オスカーが会ったたくさんのブラックさんに、手紙を書いてその手紙を読むたくさんのブラックさんの映像はほほえましかったです。オスカーのしたことが、たくさんのブラックさんの心に何か小さな火を通したような感じでした。

映画は母子で父の死を乗り越え、同時に、祖父母の再生と鍵の持ち主が解かります。

オスカー少年の役をクイズ番組に出ていた少年トーマス・ホーンが、初めての映画出演とは思えない演技で演じています。

「鍵の持ち主ブラックさんを捜す」ことに違和感(変なストーリーと思ってしまうと)を持てばただのつまらない話になりますが、9・11の経験者にとって、「なんでこんなことをするのだろう。」というそんな常識から外れた無駄なことをする気持ちを持つのかもしれせん。そう考えるとなかなかいい脚本だと思いました。

オスカー少年のナレーションで一番初めに「今生きている人類の数の方が、今まで死んだ全人類の数よりも多い。」は正直、ビックリしました。人の増加程、環境破壊はないのかもしれません。

パンフレットは、鍵穴のカバーとオスカーのノートのような作りで○。



  


Posted by まちの大工さん  at 18:45Comments(0)映画の話