2012年07月10日

吉田所長ごくろうさま3

原発の事故が起きた時、事情を知っているのは東京にいる人ではありません。カメラでいくら映像を流しても、実際に見るのと大違いです。もし、映像だけで分る人がいれば、その人は現場で経験した人です。

今回のような原発事故を日本で経験した人はいません。原発の設備について知っている人は、原発の担当者しかいません。分らないのに指示を出した人の責任は重いと思います。

「将、軍にあり、君命に従わざることあり」
これは、中国春秋時代の兵法家孫子の言葉です。簡単に言うと、「緊急時に現場のことは現場の責任者にまかせろ。たとえ、それが君(今の日本で言えば首相)の意見に従わなくてもいい」という意味です。

いつの時代でも、現場のことは現場にいる人しか分りません。その人に頼るしかないのです。君(責任者)は責任だけ取ればいい、たとえ、現場責任者が間違えてもその責任を取ればいのです。その覚悟がないものが、責任者になってはいけないのです。
以前にも書きましたが、官邸の指示を無視して海水注入をした吉田所長がいたことは本当に運が良かったと思います。いいなり所長では、1000人の部下はまとまらなかったでしょう。

官邸にいた東電の武黒氏は当時の官邸から何を言われようと「吉田に任しています。彼は必ずやります。最善を尽くします。」とだけ答えればよかったのです。「もし問題があれば、私は責任を取ります。」と言って、余分な情報を与えて吉田所長を困らせなければよかったのです。
武黒氏は、官邸に何を言われようが自分が責任を取る覚悟はなかったのでしょう。これでは、1000人の作業員を預かり、自らもいつ被爆するか分らない状況の吉田所長は、とんでもない負担だったと思います。

吉田所長から見れば、考えうる最善の策を取っているのに、自分の会社から信用されない。これほど、情けないことはないでしょう。本当に同情します。昨年の4月21日に自衛隊と消防隊の幹部が言った
「万一のときは、我々が命を懸けても救出します。」
に涙を流した理由もよく解ります。

この期に及んで言った、言わないと言っている、当時の東電と官邸の言い分を読んでいると、今でも避難している人のことを考えているのでしょうか。最後まで責任を認めないのでしょうか?
吉田所長ごくろうさま3




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Posted by まちの大工さん  at 18:17 │Comments(0)雑誌、新聞などの話

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